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講 座
第
次の古文を読んで、あとの問いに答えなさい。 猪 ゐのししの子あまた居 ゐたる中に、ある猪の子、﹁総の司 つかさとならん。﹂と思ひて、目をいからし、尾 をを振 ふつてとびめぐる。しかれども、傍 ほう輩 ばいらこれを敬
は
ず。﹁さらば。﹂と思ひて、羊の並 なみ居たる中に行きて、前のごとく振る舞 まひければ、羊恐 おそれて逃 にげ隠 かくれぬ。さてこの猪望みを達して居たるところに、狼 おほかみ一匹 ぴき走り来たりけり。﹁あはや。﹂とは思へども、﹁我は司なれば、かれも定めて恐れん。﹂と思ひて居たるところに、狼とびかかり、耳をくはへて山中に至りぬ。助けず。をめき叫 さけび行くほどに、かの猪の傍輩この声を聞きつけて、つひに力を合はせて助けにけり。されば、もとの猪らに謝 あやまりけり
。
︵﹃伊 い曾 そ保 ほ物語﹄︶ *1総の司=総司令官。総大将。 *2傍輩=仲間。
問一 線a﹁敬はず﹂、b﹁をめき﹂を現代かなづかいに直し、すべてひらがなで書きなさい。
a b
問二 線①﹁前のごとく振る舞ひければ﹂とありますが、どう振る舞ったのですか。それが書かれている部分を古文中から十七字で書き抜 ぬきなさい。
1
*1
*2a
①
②
b
③
古 文
(1)
11
問三 線②﹁かれも定めて恐れん﹂について、次の⑴・⑵に答えなさい。⑴ ﹁かれ﹂とは、だれ︵何︶のことですか。古文中から書き抜きなさい
。
⑵ ﹁定めて恐れん﹂の現代語訳として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア きっと恐れるだろうイ 少しは恐れるだろうウ 決して恐れることはないエ もしかしたら恐れるかもしれな
い
問四 にあてはまる言葉として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 猪の子 イ 猪の傍輩ウ 羊 エ
狼
問五 線③﹁謝りけり﹂とありますが、なぜ猪の子は謝ったのですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 自分が最も強いと思っていたのに、狼のほうが強かったから。イ 自分は猪の総大将なのに、仲間の猪を助けられなかったから。ウ 羊の総大将にしてもらったのに、羊たちを救えなかったから。エ 自分が思い上がった態度を取ったにもかかわらず、仲間の猪たちが助けてくれたから
。
5
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ウ 働くことができなくなったということエ 病気が治る見 み込 こみがなくなったというこ
と
問四 線③﹁せちに聞こえければ﹂について、次の⑴・⑵に答えなさい。⑴ だれが、だれに言ったのですか。
が に
⑵ どんなことを言ったのですか。言った言葉を古文中から探し、それを現代語に直して書きなさい。
問五 線④﹁その子悲しみ嘆きて﹂の部分で省略されている言葉は何ですか。ひらがな一字で書きなさい
。
問六 線⑤﹁天地に祈り願ひける﹂とありますが、子供はなぜ天地に祈ったのですか。次のa∼cにあてはまる言葉を、aは二字、b・cは一字でそれぞれ書きなさい。 この時はまだaで、bが咲くまでには間があり、それまで父親のcはもたないだろうと思われたから。
a b c
問七 この文章の主題を端 たん的 てきに表している言葉を、古文中から二字で書き抜 ぬきなさい
。
次の古文を読んで、あとの問いに答えなさい。 昔、山 やま越 こえの里に老人ありけるが、年ごとに老いて、そのうへ、いみじう重き病に臥 ふし、頼 たのみ少なくなりけるに、ただ、この谷の桜に先立ちて、花をも見ずして死なんことのみを嘆 なげきて、﹁いまひとたび花を見て死なば、うき世に思ひ残すこともあらじ﹂など、せちに聞こえければ、その子悲しみ嘆きて、この桜の木の下に行きて、﹁なにとぞ、わが父の死にたまはざる前に花を咲 さかせたまはれ﹂と心をつくして天地に祈 いのり願ひけるに、その孝心、鬼 き神 しんも感じたまひけん。一夜の間に花咲き乱れ、あたかも三月の頃 ころのごとくなりける。この祈りける日、正月十六日なりけるとぞ。︵橘 たちばな南 なん谿 けい﹃西遊記﹄︶ *1せちに聞こえければ=ひたすら言うので。 *2鬼神=天地万物の霊 れい魂 こんや神々。
問一 線a﹁そのうへ﹂、b﹁思ひ残す﹂を現代かなづかいに直し、すべてひらがなで書きなさい。
a b
問二 線①﹁いみじう﹂の意味として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア ひどく イ 悲しくウ 情けなく エ すばらし
く 問三 線②﹁頼み少なくなりける﹂とは、どういうことですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア お金がなくなってしまったということイ 診 みてくれる医者もいなくなったということ
2
a①
②
b③*1④
⑤
*2
5
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練
習 問
題
5 10
次の古文を読んで、あとの問いに答えなさい。 今は昔、伊 い勢 せ国より近 あふみ江国へ超 こえける若き男、三人ありけり。下 げ衆 すなれども、三人ながら心猛 たけく思 おもひ量 はかりありけり。鈴 すず鹿 かの山を通りけるに、その山中に、昔よりいかに言ひ始めけるにかありけむ、鬼 おにありとて人さらに宿らぬ旧堂ありけり。さばかりの道中なる堂なれども、かく言ひ伝へて、人さらに寄らず。しかる間、この三人の男、山を通る間に、夏ごろなりければ、俄 にはかにかき暗がりて夕立しければ、今ややむやむと木の葉のしげき下に立ち入りて待つに、さらにやまねば、日はただ暮れに暮れぬれば、一人ありて、﹁いざ、あの堂に宿りなむ。﹂と言ひけるを、今二人ありて、﹁この堂は、昔より鬼ありとて、人寄らぬ堂には、いかに。﹂と言ひければ、先 まづ宿らむと言ひつる男、﹁かかる序 ついでに、まことに鬼あらばさも知らむ。また食はれなば、いかがは死ぬまじき。いたづら死 じにせよかし。また狐 きつね、野 くさ猪 ゐなぎなどの、人たばからむとてしける事を、かく言ひ始めて言ひ伝へたるにもあらむ。﹂と言へば、二人の男は、なまじひに、﹁さらば、さも。﹂と言ふに、日も暮れて暗くなりぬれば、この堂に入りて宿りぬ。︵﹃今 こん昔 じゃく物 もの語 がたり集 しゅう﹄︶ *1下衆=身分の低い人。 *2
3* 。うよ とっきりて確かめ、みは鬼 あむらばさも知ら=う鬼が出るかどか
。ひ *なまじ5にしかたなく= ばとむらか*た人4 =てを人たぶらかそうとして。 をいうこと。言っている よとうしわど動ら︵鬼に食れるこなと気に行てっ切い思︶ずせ らづ⋮たい⋮たばなれは食せ死だよかし=人はいずれ死ぬのかま
1
①*1
②
③
*2
*3
*4
*5 問一 線①﹁若き男﹂は、どんな男たちですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 力が強く優 やさしい。 イ 生意気で威 い張 ばっている。ウ 勇ましく思 し慮 りょ深い。 エ 乱暴で考えが浅い
。 問二 線②﹁いざ、あの堂に宿りなむ﹂について、次の⑴・⑵に答えなさい。⑴ こう言ったのは、どんな考えがあったからですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 夕立でぬれた体を乾 かわかしたい。イ 人々のために何かの役に立ちたい。ウ 長旅で疲 つかれたのでゆっくり休みたい。エ 言い伝えが本当かどうかを確かめたい
。
⑵ こう言った男は、お堂にまつわる話をどのように考えていますか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 言い伝えのとおり、本当に鬼がいるに違 ちがいない。イ よそ者をお堂に入れないための近 きん隣 りんの人々の作り話だろう。ウ 村人が狐か野猪をたぶらかそうとして言い出したのに違いない。エ 狐か野猪が人をたぶらかそうとしたことが言い伝
え
られたのではないか
。 問三 線③﹁いかに﹂には、二人のどんな気持ちが表れていますか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 同意 イ 興味ウ 焦 あせり エ ためら
い
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問四 結局三人はどうしたのですか。現代語で書きなさい。
次の古文を読んで、あとの問いに答えなさい。 近き頃 ころ名人と称 しようし、公 おほやけより紫 むらさきしらべ調賜 たまはりし新九郎こと、権 ごん九 く郎 らうと言ひし頃、日々鼓 つづみを出 しゆつ精 せいしけれどもいまだ心に落ちざる折 おりから、年久 ひさしく召 めし使ひし老女朝々茶など持ち来たりて権九郎へ給仕しけるが、ある時申しけるは、主人の鼓もはなはだ上達の由 よし申しければ、権九郎もをかしきことに思ひて、女のこと常に鼓は聞けど手 て馴 なれしことにもあらず、我 わが職分の上達を知るわけを尋 たづね笑ひければ、老女答 こたへて、我乱 らん舞 ぶのこと知るべきやうなし。しかしながら親 おや新九郎鼓を数年聞きけるに、朝々煎 にける茶 ちゃ釜 がまへ音ごとに響 ひびき聞こえ侍 はべる。これまで権九郎鼓はそのことこれなきところ、この四、五日は鼓の音ごとに茶釜へ響きけるゆゑ、さてこそ上達を知り侍ると答へけるとなり。年久しく耳馴るれば自然と微 び妙 めうに、よし悪 あしも分かるものと、権九郎も感じけるとなり
2* 。府幕=公1* ︵﹄︶囊。 鎮﹃根岸衛耳 みねぎしすやもりろくぶみ
3* 式紫は高い格を表す色である。 も、でとこの紫 調え=調は音の調子を整るるために鼓につけてあひ
* あ *9親新九鼓=親で郎る九、。鼓の郎新の代の前 7毎* 。 朝 =々朝6*分職*=8。鼓=舞乱能。 技の ざわ 落満ざる=な足できい。ちに5* 心 出を *4出精=精てし励むこと。 はげ を前名のけ受く継いでい。 つ を観つ持け受の鼓小能=郎座世九新 とこ、々代、でこの郎九新の ぜかんざ
10煎ける=お湯をわかす。
2
*1*2*3
*4*5
*6
①
②*7
③*8
*9*
10
問一 線①﹁主人﹂とは、だれのことですか。古文中から書き抜 ぬきなさい
。 問二 線②﹁我が職分の上達を知るわけ﹂とありますが、老女はどんなことから権九郎の鼓の上達を知ったのですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 鼓の音が茶釜に響くようになったことイ 鼓の音が老女の部屋まで聞こえてくるようになったことウ 鼓の音が茶わんに響くようになったことエ 鼓の音が茶室に響き渡 わたるようになったこ
と
問三 線③﹁老女答へて﹂とありますが、老女が語った内容を文中から探し、その初めと終わりの四字を書き抜きなさい。
∼
問四 権九郎はどんなことに感じ入ったのですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 長年その家に仕えている者は、当代の主人よりも物事がよくわかっているものだということイ 第三者の方が当事者よりも、かえって物事の良し悪しがよくわかるものだということ ウ 素 しろ人 うとでも、長年接している物事については、その良し悪しがわかるようになるということエ 年寄りというものは、長年の経験で物事の微妙な違 ちがいまでわかってしまうものだというこ
と
10 5