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見本PDF 夏期テキスト | 塾用教材 | 教育開発出版株式会社

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Academic year: 2018

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全文

(1)

─ 42 ─

講 座

  次の古文を読んで、あとの問いに答えなさい。 猪 の子あまた居 たる中に、ある猪の子、﹁総の司 とならん。﹂と思ひて、目をいからし、尾 を振 つてとびめぐる。しかれども、傍 らこれを敬

ず。﹁さらば。﹂と思ひて、羊の並 み居たる中に行きて、前のごとく振る舞 ひければ、羊恐 れて逃 げ隠 れぬ。さてこの猪望みを達して居たるところに、狼 一匹 走り来たりけり。﹁あはや。﹂とは思へども、﹁我は司なれば、かれも定めて恐れん。﹂と思ひて居たるところに、狼とびかかり、耳をくはへて山中に至りぬ。助けず。をめき叫 び行くほどに、かの猪の傍輩この声を聞きつけて、つひに力を合はせて助けにけり。されば、もとの猪らに謝 りけり

︵﹃伊 物語﹄︶ *1総の司=総司令官。総大将。  *2傍輩=仲間。

問一 線a﹁敬はず﹂、b﹁をめき﹂を現代かなづかいに直し、すべてひらがなで書きなさい。

 b

問二   線①﹁前のごとく振る舞ひければ﹂とありますが、どう振る舞ったのですか。それが書かれている部分を古文中から十七字で書き抜 きなさい。

1

(1)

11

問三   線②﹁かれも定めて恐れん﹂について、次の⑴・⑵に答えなさい。⑴ ﹁かれ﹂とは、だれ︵何︶のことですか。古文中から書き抜きなさい

⑵ ﹁定めて恐れん﹂の現代語訳として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア きっと恐れるだろうイ 少しは恐れるだろうウ 決して恐れることはないエ もしかしたら恐れるかもしれな

問四 にあてはまる言葉として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 猪の子   イ 猪の傍輩ウ 羊     エ 

問五   線③﹁謝りけり﹂とありますが、なぜ猪の子は謝ったのですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 自分が最も強いと思っていたのに、狼のほうが強かったから。イ 自分は猪の総大将なのに、仲間の猪を助けられなかったから。ウ 羊の総大将にしてもらったのに、羊たちを救えなかったから。エ 自分が思い上がった態度を取ったにもかかわらず、仲間の猪たちが助けてくれたから

5

(2)

─ 43 ─

ウ 働くことができなくなったということエ 病気が治る見 みがなくなったというこ

問四   線③﹁せちに聞こえければ﹂について、次の⑴・⑵に答えなさい。⑴ だれが、だれに言ったのですか。

⑵ どんなことを言ったのですか。言った言葉を古文中から探し、それを現代語に直して書きなさい。

問五   線④﹁その子悲しみ嘆きて﹂の部分で省略されている言葉は何ですか。ひらがな一字で書きなさい

問六   線⑤﹁天地に祈り願ひける﹂とありますが、子供はなぜ天地に祈ったのですか。次のa∼cにあてはまる言葉を、aは二字、b・cは一字でそれぞれ書きなさい。 この時はまだaで、bが咲くまでには間があり、それまで父親のcはもたないだろうと思われたから。

 b c

問七 この文章の主題を端 に表している言葉を、古文中から二字で書き抜 きなさい

  次の古文を読んで、あとの問いに答えなさい。 昔、山 の里に老人ありけるが、年ごとに老いて、そのうへ、いみじう重き病に臥 し、頼 み少なくなりけるに、ただ、この谷の桜に先立ちて、花をも見ずして死なんことのみを嘆 きて、﹁いまひとたび花を見て死なば、うき世に思ひ残すこともあらじ﹂など、せちに聞こえければ、その子悲しみ嘆きて、この桜の木の下に行きて、﹁なにとぞ、わが父の死にたまはざる前に花を咲 かせたまはれ﹂と心をつくして天地に祈 り願ひけるに、その孝心、鬼 も感じたまひけん。一夜の間に花咲き乱れ、あたかも三月の頃 のごとくなりける。この祈りける日、正月十六日なりけるとぞ。︵橘 谿 ﹃西遊記﹄︶ *1せちに聞こえければ=ひたすら言うので。 *2鬼神=天地万物の霊 や神々。

問一 線a﹁そのうへ﹂、b﹁思ひ残す﹂を現代かなづかいに直し、すべてひらがなで書きなさい。

 b

問二   線①﹁いみじう﹂の意味として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア ひどく    イ 悲しくウ 情けなく   エ すばらし

問三   線②﹁頼み少なくなりける﹂とは、どういうことですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア お金がなくなってしまったということイ てくれる医者もいなくなったということ

2

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(3)

─ 44 ─

習 問

5 10

  次の古文を読んで、あとの問いに答えなさい。 今は昔、伊 国より近 江国へ超 えける若き男、三人ありけり。下 なれども、三人ながら心猛 く思 ありけり。鈴 鹿 の山を通りけるに、その山中に、昔よりいかに言ひ始めけるにかありけむ、鬼 ありとて人さらに宿らぬ旧堂ありけり。さばかりの道中なる堂なれども、かく言ひ伝へて、人さらに寄らず。しかる間、この三人の男、山を通る間に、夏ごろなりければ、俄 にかき暗がりて夕立しければ、今ややむやむと木の葉のしげき下に立ち入りて待つに、さらにやまねば、日はただ暮れに暮れぬれば、一人ありて、﹁いざ、あの堂に宿りなむ。﹂と言ひけるを、今二人ありて、﹁この堂は、昔より鬼ありとて、人寄らぬ堂には、いかに。﹂と言ひければ、先 づ宿らむと言ひつる男、﹁かかる序 に、まことに鬼あらばさも知らむ。また食はれなば、いかがは死ぬまじき。いたづら死 せよかし。また狐 、野 などの、人たばからむとてしける事を、かく言ひ始めて言ひ伝へたるにもあらむ。﹂と言へば、二人の男は、なまじひに、﹁さらば、さも。﹂と言ふに、日も暮れて暗くなりぬれば、この堂に入りて宿りぬ。︵﹃今 ﹄︶ *1下衆=身分の低い人。 *2

3*  。うよ とっきりて確かめ、みは鬼 あむらばさも知ら=う鬼が出るかどか

。ひ *なまじ5にしかたなく= ばとむらか*た人4 =てを人たぶらかそうとして。 をいうこと。言っている よとうしわど動ら︵鬼に食れるこなと気に行てっ切い思︶ずせ らづ⋮たい⋮たばなれは食せ死だよかし=人はいずれ死ぬのかま

1

問一   線①﹁若き男﹂は、どんな男たちですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 力が強く優 しい。   イ 生意気で威 っている。ウ 勇ましく思 深い。  エ 乱暴で考えが浅い

問二   線②﹁いざ、あの堂に宿りなむ﹂について、次の⑴・⑵に答えなさい。⑴ こう言ったのは、どんな考えがあったからですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 夕立でぬれた体を乾 かしたい。イ 人々のために何かの役に立ちたい。ウ 長旅で疲 れたのでゆっくり休みたい。エ 言い伝えが本当かどうかを確かめたい

⑵ こう言った男は、お堂にまつわる話をどのように考えていますか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 言い伝えのとおり、本当に鬼がいるに違 いない。イ よそ者をお堂に入れないための近 の人々の作り話だろう。ウ 村人が狐か野猪をたぶらかそうとして言い出したのに違いない。エ 狐か野猪が人をたぶらかそうとしたことが言い伝

られたのではないか

問三   線③﹁いかに﹂には、二人のどんな気持ちが表れていますか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 同意   イ 興味ウ り   エ ためら

(4)

─ 45 ─

問四 結局三人はどうしたのですか。現代語で書きなさい。

  次の古文を読んで、あとの問いに答えなさい。 近き頃 名人と称 し、公 より紫 調賜 はりし新九郎こと、権 と言ひし頃、日々鼓 を出 しけれどもいまだ心に落ちざる折 から、年久 しく召 し使ひし老女朝々茶など持ち来たりて権九郎へ給仕しけるが、ある時申しけるは、主人の鼓もはなはだ上達の由 申しければ、権九郎もをかしきことに思ひて、女のこと常に鼓は聞けど手 れしことにもあらず、我 が職分の上達を知るわけを尋 ね笑ひければ、老女答 へて、我乱 のこと知るべきやうなし。しかしながら親 新九郎鼓を数年聞きけるに、朝々煎 ける茶 へ音ごとに響 き聞こえ侍 る。これまで権九郎鼓はそのことこれなきところ、この四、五日は鼓の音ごとに茶釜へ響きけるゆゑ、さてこそ上達を知り侍ると答へけるとなり。年久しく耳馴るれば自然と微 に、よし悪 しも分かるものと、権九郎も感じけるとなり

2*  。府幕=公1*  ︵﹄︶囊。 鎮﹃根岸衛耳

3*  式紫は高い格を表す色である。 も、でとこの紫 調え=調は音の調子を整るるために鼓につけてあひ

*  あ *9親新九鼓=親で郎る九、。鼓の郎新の代の前 7毎* 。 朝 =々朝6*分職*=8。鼓=舞乱能。 技の  落満ざる=な足できい。ちに5* 心 出を *4出精=精てし励むこと。 を前名のけ受く継いでい。 を観つ持け受の鼓小能=郎座世九新 とこ、々代、でこの郎九新の

10煎ける=お湯をわかす。

2

10

問一   線①﹁主人﹂とは、だれのことですか。古文中から書き抜 きなさい

問二   線②﹁我が職分の上達を知るわけ﹂とありますが、老女はどんなことから権九郎の鼓の上達を知ったのですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 鼓の音が茶釜に響くようになったことイ 鼓の音が老女の部屋まで聞こえてくるようになったことウ 鼓の音が茶わんに響くようになったことエ 鼓の音が茶室に響き渡 るようになったこ

問三   線③﹁老女答へて﹂とありますが、老女が語った内容を文中から探し、その初めと終わりの四字を書き抜きなさい。

問四 権九郎はどんなことに感じ入ったのですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 長年その家に仕えている者は、当代の主人よりも物事がよくわかっているものだということイ 第三者の方が当事者よりも、かえって物事の良し悪しがよくわかるものだということ ウ でも、長年接している物事については、その良し悪しがわかるようになるということエ 年寄りというものは、長年の経験で物事の微妙な違 いまでわかってしまうものだというこ

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